二次試験の直前1ヶ月は、それまでの学習の総仕上げをする期間であると同時に、多くの受験生が焦りや不安を抱えやすい時期でもあります。私自身、11年前のこの時期は、点数が伸び悩む時期と、一気に伸びる時期の両方を経験しました。
今回は、直前1ヶ月でどのように学習の重心を変えたか、そして体調・メンタル面でどんなことを意識していたかを振り返ります。
直前1ヶ月、学習の重心をどう変えたか
直前1ヶ月に入ってから、学習の重心を「演習量を増やすこと」から「弱点の精度を上げること」に切り替えました。
それまでの期間は、とにかく過去問を解いて場数を踏むことを優先していましたが、直前期に入ってからは、次のような配分に変えていきました。
- 新しい年度の過去問に手を広げるのをやめる
- これまで解いた過去問の中で、繰り返し間違えていた設問・パターンを洗い出す
- 事例Ⅳは、計算の正確さとスピードを上げることに絞って演習する
- 事例Ⅰ〜Ⅲは、頻出フレームワークとキーワードの最終確認に時間を使う
この時期に得点が伸びたと感じたのは、演習の「量」を増やしたからではなく、それまでの演習で見えていた自分の弱点を、意識的につぶしていったことが大きかったと思います。
新しい問題に手を出すか、復習に絞るかの判断
直前期に「まだ解いていない年度の過去問があるから、それも解いておいたほうがいいのでは」と不安になる方は多いと思います。私自身もこの葛藤がありました。
最終的に判断基準にしたのは、次の点です。
- 今の自分の失点パターンが、これまでの演習でほぼ把握できているか:把握できているなら、新しい問題より復習を優先する
- 残りの日数で、新しい問題を解いた後にきちんと振り返る時間まで確保できるか:解きっぱなしで終わるなら、新しい問題に手を出す意味は薄い
- 不安を解消するためだけに新しい問題に手を出そうとしていないか:この動機の場合、大抵は復習のほうが効果的
私の場合、直前2週間は新しい年度にはほとんど手を出さず、それまで解いた過去問の解き直しと、事例Ⅳの計算演習に絞っていました。「まだやっていないことがある」という不安よりも、「今できることの精度を上げる」ことを優先した結果です。
体調・メンタル管理で意識していたこと
直前期は、学習内容そのものと同じくらい、体調とメンタルの管理が重要になります。当時意識していたのは次のようなことです。
- 睡眠時間を削らない:直前期になるとつい夜遅くまで勉強したくなりますが、二次試験は思考力と集中力が問われる試験のため、睡眠不足は明らかにパフォーマンスを落とすと感じていました。学習時間を伸ばすより、睡眠時間を確保することを優先しました
- 模試や過去問の点数の推移を見返す:不安が強くなったときは、学習時間ではなく正答率や答案の質の推移を記録したものを見返し、「ちゃんと伸びている」ことを客観的に確認するようにしていました
- 完全に休む日を1日は作る:直前期だからといって毎日詰め込むのではなく、意図的に何もしない日を作ることで、かえって残りの期間の集中力を保てました
- 周囲と比較しすぎない:SNSや掲示板で他の受験生の勉強量を見ると焦りが増すことがあったため、直前期は意識的にそうした情報から距離を置いていました
前日にやったこと・やらなかったこと
前日と当日朝の過ごし方も、直前1ヶ月の追い込みの延長として意識していました。
前日やったこと
- これまで使ってきた教材の、頻出フレームワーク・キーワードの最終確認
- 持ち物(筆記用具、電卓、受験票など)のチェック
- 早めに就寝し、当日の生活リズムをいつも通りに保つ
前日やらなかったこと
- 前日に新しい問題や教材に手を出すこと
- 前日に模試や過去問を通しで解くこと(疲労が残るだけで、直前の得点力向上にはつながりにくいと感じていました)
直前期は「何を追加でやるか」より「何をやらないか」を決めておくことのほうが、結果的に落ち着いて本番に臨む助けになりました。
直前1ヶ月は、これまでの努力の総仕上げをする期間です。演習量を無理に増やすより、これまでの自分の弱点と向き合い、体調とメンタルを整えることに時間を使うことが、結果的に得点の伸びにつながると感じています。
前日は当日にパフォーマンスを発揮できるように体調を整えることがおすすめです。