中小企業診断士一発合格者からみた試験対策 blog 

中小企業診断士1次試験524点、2次試験264点で一発合格した筆者が勉強法をお伝えします

中小企業診断士二次試験の模試、受けるべきか?模試活用法

二次試験対策を進めていると、必ず一度は「模試を受けるべきか」という疑問にぶつかります。費用も時間もかかるだけに、迷う方は多いはずです。今回は、中小企業診断士二次試験の模試がどんな意味を持つのか、そしてどう活用すべきかを整理します。

模試を受けるメリット・デメリット

まず、模試を受けることのメリットとデメリットを整理します。

メリット

  • 本番と同じ緊張感の中で、時間配分やペース配分を試せる
  • 自分の答案を、第三者(採点者)の目線で評価してもらえる
  • 他の受験生の中での自分の立ち位置がある程度分かる
  • 本番会場に近い環境(見知らぬ人の中で、長時間集中する経験)に慣れられる

デメリット

  • 受験料がかかる(1回あたり数千円〜1万円台程度が目安)
  • 移動時間・拘束時間がかかる
  • 模試の採点基準が、必ずしも本試験の採点基準と一致するとは限らない
  • 模試の結果に一喜一憂しすぎると、かえってモチベーションを崩すリスクがある

デメリットもありますが、メリットの中でも特に「第三者からの評価」という部分が、他の方法では得にくい価値になります。

模試が価値を持つ理由

二次試験を受験する上での悩みといえば、自分の答案を客観的に評価してくれる人がいないことです。ふぞろいなどの教材を使って自己採点することはできますが、しょせんは自分自身の判断であり、どうしても甘くなったり、逆に必要以上に厳しくなったりします。

模試は、この「ボトルネック」を補う数少ない機会です。特に次のような点で価値があります。

  • 自分では気づけない答案の癖を指摘してもらえる:与件文の読み違え、答案の書き方の癖など、自分一人では気づきにくい傾向を客観的に指摘してもらえます
  • 本番と同じ緊張感を体験できる:過去問演習は自宅で行うことが多く、本番特有の緊張感やペース配分の難しさは、模試のような環境でないと体験しにくいものです
  • 相対的な位置を把握できる:自己採点だけでは分からない、他の受験生と比べた自分の実力を把握できます

私自身、模試を1回は受けました。特に効果を感じたのは、初見の問題についての回答を作ること。それを体験することで、本番に近い緊張感を経験できるという点です。

どのタイミングで受けるのが効果的か

模試を受けるタイミングは、目的によって使い分けるのがおすすめです。

学習中盤(型がある程度身についてきた頃) このタイミングで受ける模試は、「自分の答案の癖を知る」ことが主な目的になります。まだ完成度が高くなくても、この段階で客観的な評価を受けておくことで、残りの期間で何を重点的に修正すべきかが明確になります。

直前期(本番の2〜4週間前) このタイミングで受ける模試は、「本番形式での時間配分の確認」「メンタル面の準備」が主な目的になります。ここでの点数そのものより、本番同様のペースで最後まで解き切れるかどうかを確認することに重きを置くのがよいでしょう。

学習中盤と直前期、それぞれ1回ずつ受けるだけでも、独学の弱点をかなり補うことができます。何度も受けて演習量を稼ぐより、目的を絞って受けるほうが、費用対効果は高くなります。

模試の結果をどう次の学習に反映させるか

模試を受けっぱなしにせず、結果をその後の学習にどう反映させるかが重要です。

  • 点数そのものより、失点の理由を分析する:模試の点数は、その回の問題との相性にも左右されます。点数の高低に一喜一憂するより、「どの設問で、なぜ失点したか」を分析することを優先します
  • 答案の癖を、自分の演習にフィードバックする:模試で指摘された癖(因果関係が飛躍している、設問に正面から答えていないなど)を、その後の過去問演習で意識的に直すようにします
  • 時間配分の課題を洗い出す:本番形式で解いた際、どの事例で時間が足りなくなったか、どのフェーズ(読解・構成・記述)に時間がかかりすぎたかを振り返り、次の演習で改善を試みます

模試は「受けること」自体が目的ではなく、そこで得られる客観的な評価を、残りの学習期間にどう活かすかが本質です。独学ゆえに客観的な視点が不足しがちな受験生ほど、この機会をうまく活用する価値があります。

ただし、模試はしょせん模試です。
結果についてはそこまで深刻に考える必要はありません。

私は模試での判定は低かったですが、本番では4つの事例すべて60点以上取れました。
ですので、あくまでも本番に近い経験をし、さらなるブラッシュアップをするためくらいの気持ちで受けてみることがおすすめです。

中小企業診断士二次試験の答案、100字・40字はどう書く?減点されない書き方の型

二次試験でつまずくポイントとして、「与件文は読めるし、言いたいことも頭の中にあるのに、指定字数にうまくまとめられない」という悩みは非常によく聞きます。4

0字、100字、120字といった短い字数の中に、論理的で根拠のある答案を収めるには、内容の理解とは別に「書き方の型」が必要です。

今回は、字数指定に応じた答案の組み立て方と、独学でも実践できる自己チェックの方法を整理します。

字数指定ごとの答案の型

二次試験の答案は、字数によって書ける要素の数がほぼ決まってきます。目安として、次のように考えると組み立てやすくなります。

40字程度の場合

40字は、要素を1つ、多くても2つしか入れられない字数です。「結論」または「結論+簡単な根拠」で構成するのが基本になります。

例えるなら「〇〇という施策により、△△を図る。」のように、要素を欲張らず、聞かれたことにシンプルに答える形にまとめます。この字数で複数の要素を詰め込もうとすると、一文一文が説明不足になり、かえって論理が伝わらなくなります。

100字前後の場合

100字前後になると、「結論+根拠+効果」の3要素を入れる余地が出てきます。

  • 結論:設問に対する直接的な答え
  • 根拠:与件文中のどの記述に基づく答えか
  • 効果:その答えによって企業にどのような効果が期待できるか

この3要素を、優先順位をつけて配分するのがポイントです。根拠の説明に字数を使いすぎて、肝心の効果まで書けなかった、という失敗はよく起こります。書く前に「結論〇字、根拠〇字、効果〇字」とおおまかな配分を決めてから書き始めると、字数オーバーや尻切れを防げます。

120〜150字程度の場合

この字数になると、要素を4つ程度(結論・根拠・具体策・効果など)まで広げられます。ただし、要素を増やせるからといって詰め込みすぎると、一つひとつの説明が浅くなり、かえって論理性が弱くなることがあります。要素数を増やすより、それぞれの要素の因果関係(なぜその根拠からその結論に至るのか)を丁寧につなげることを優先したほうが、評価される答案になりやすいです。

よくある減点パターン

独学で答案練習をしていると気づきにくい、典型的な減点パターンを挙げます。

  • 設問に答えていない:与件文の内容を要約しただけで、設問で聞かれていること(例:要因を答えよ、なのに施策を書いてしまう)に答えていない
  • 因果関係が飛躍している:根拠と結論の間に論理のジャンプがあり、「なぜそうなるのか」が答案の中で説明されていない
  • 与件文の言葉をそのまま抜き出しただけ:与件文の記述を並べただけで、自分の言葉で「なぜそれが課題・強みになるのか」を説明できていない
  • 一文が長すぎて主語と述語がねじれる:字数を使い切ろうとして一文を欲張ると、文法的に破綻した文になりやすい
  • 同じ内容を別の設問でも書いてしまう:事例全体で見たときに、複数の設問で似た内容を繰り返し書いてしまい、それぞれの設問での得点機会を活かせていない

これらは知識不足ではなく、「書き方」の問題であることがほとんどです。内容は合っているのに減点されている場合、まずこのパターンに当てはまっていないか確認してみてください。

添削してもらえない独学者向けの自己チェック方法

独学の場合、自分の答案を客観的に評価してくれる人がいないことが最大の弱点です。次のようなセルフチェックの方法を習慣にすることで、この弱点をある程度補うことができます。

  • 「なぜ?」を答案に対して自問する:自分の書いた根拠に対して「なぜそう言えるのか」を問いかけ、答えられない部分は与件文の根拠が不足しているサインです
  • 設問文と答案だけを見比べ、対応関係を確認する:与件文を見ずに、設問文と自分の答案だけを読み返し、「この答案は設問にちゃんと答えているか」を確認します。与件文の内容を思い出しながら読むと、無意識に補完して読んでしまうため、あえて設問と答案だけで確認するのがポイントです
  • 時間を置いてから読み返す:書いた直後は自分の意図が頭に残っているため、粗に気づきにくいです。半日〜1日置いてから読み返すと、他人が読むのに近い感覚でチェックできます

練習の積み方

答案の書き方は、知識のインプットとは異なり、実際に手を動かして書く練習を繰り返すことでしか身につきません。

  • 最初は「写経」から入る:模範解答や再現答案を、意味を意識しながら書き写す練習から始めると、答案の型やリズムが体に入りやすくなります
  • 型を意識して自分の言葉で書く練習に移行する:写経で型に慣れたら、与件文の内容を自分の言葉で当てはめる練習に移ります。ここで初めて「自分の答案」としての練習になります
  • 短い字数から練習する:いきなり100字・120字を書こうとせず、まず40字で結論だけを的確に書く練習から始め、慣れてきたら字数を伸ばしていくと、要素の優先順位をつける感覚が身につきやすくなります

字数指定に泣かされるのは、多くの受験生が通る道です。内容の理解に加えて、この「書き方の型」を意識的に練習することで、同じ知識量でも得点の伸び方が変わってきます。

中小企業診断士二次試験の解き方―事例Ⅰ〜Ⅲ共通の基本フレームワークと、事例Ⅳだけの特別対策

二次試験の事例Ⅰ〜Ⅳは、それぞれテーマ(組織・人事/マーケティング・流通/生産・技術/財務・会計)こそ違いますが、実は「解き方」という視点で見ると、事例Ⅰ〜Ⅲは共通の型で語ることができ、事例Ⅳだけは全く別のアプローチが必要になります。

 

今回は、事例Ⅰ〜Ⅲに共通する基本フレームワークと、事例Ⅳだけに特化した勉強法を、あわせて整理します。それぞれの事例のテーマごとの詳しい対策は、個別記事(事例Ⅰ〜Ⅳそれぞれの解説)もあわせて参考にしてください。

なぜ事例Ⅰ〜Ⅲは共通の型で語れるのか

事例Ⅰ〜Ⅲは、テーマこそ「組織・人事」「マーケティング・流通」「生産・技術」と異なりますが、出題の構造はほぼ共通しています。

  • 与件文として、ある中小企業の状況・課題が文章で提示される
  • 設問は、その企業が抱える課題への「助言」や「分析」を求める形式が中心
  • 解答の根拠は、基本的にすべて与件文の中にある(外部知識だけで答えを作るものではない)

つまり、事例Ⅰ〜Ⅲは「テーマが違う同じ形式の試験」と捉えることができ、与件文の読み方・答案の組み立て方という「解き方」の部分は、事例をまたいで使い回せる型になります。

与件文の読み方の基本フレームワーク(事例Ⅰ〜Ⅲ共通)

① 設問を先に読む

与件文をいきなり読み始めるのではなく、先に設問に目を通し、「何が問われているか」を頭に入れてから与件文を読むのが基本です。設問を先に把握しておくことで、与件文を読みながら「この記述はどの設問に対応しそうか」を意識しながら読み進められます。

② 与件文中の「対比構造」に注目する

事例Ⅰ〜Ⅲの与件文には、多くの場合「過去と現在」「自社と競合」「強みと弱み」といった対比構造が埋め込まれています。この対比構造を意識して読むと、企業が置かれている状況や課題が浮かび上がりやすくなります。

③ 課題の「原因」と「結果」を分けて読む

与件文には、企業が抱える問題(結果)と、その背景にある要因(原因)の両方が書かれていることがほとんどです。「何が起きているか」だけでなく「なぜそれが起きているか」を意識して読むことで、設問で問われる「助言」の質が上がります。

設問対応・答案作成の基本フレームワーク(事例Ⅰ〜Ⅲ共通)

① 設問の「聞かれ方」を正確に捉える

「〜の要因を答えよ」「〜のための施策を助言せよ」「〜のメリット・デメリットを述べよ」など、設問ごとに聞かれ方が異なります。この聞かれ方を誤ると、内容がどれだけ良くても得点にはつながりません。

② 答案の型を決めておく

多くの場合、「結論→根拠→効果」という型に沿って答案を組み立てると、内容が整理された答案になります。

  • 結論:設問に対する直接的な答え
  • 根拠:与件文中のどの記述に基づく答えなのか
  • 効果:その答えによって、企業にどのような効果が期待できるか

この型を事例Ⅰ〜Ⅲ共通で使い回せるようにしておくと、本番でも迷わず答案を組み立てられます。

③ 設問間で内容が重複しないようにする

一つの事例の中で、複数の設問が似たようなテーマを扱っていることがあります。設問ごとに「聞かれている切り口」を明確に区別し、同じ内容を繰り返し書かないよう意識することが必要です。

事例Ⅳだけはなぜ別扱いにすべきか

ここまでの型は、事例Ⅰ〜Ⅲには有効ですが、事例Ⅳにはほとんど当てはまりません。理由は、事例Ⅳが他の事例と根本的に性質が異なるからです。

  • 与件文は短く、代わりに財務諸表の読み取りが中心になる
  • 解答の多くが「文章」ではなく「数値」を求められる
  • 計算過程を一つ間違えると、後続の設問にまで影響が連鎖しやすい

事例Ⅰ〜Ⅲが「読解力と記述力」の試験であるのに対し、事例Ⅳは「財務諸表の読解力と計算処理能力」の試験です。同じ二次試験の枠組みで語られがちですが、対策としては別物として扱う必要があります。

事例Ⅳの具体的な勉強法

事例Ⅳでは、次のような勉強法が効果的です。

① 論点ごとに基礎を固める

経営分析、CVP分析(損益分岐点分析)、意思決定会計、キャッシュフロー計算など、論点ごとに基礎問題を繰り返し解き、計算パターンを体に染み込ませます。事例Ⅰ〜Ⅲのように「読んで考える」のではなく、「型を覚えて再現する」練習に近い性質があります。

② 毎日短時間でも計算に触れる

計算力は数日間触れないだけで感覚が鈍りやすい性質があります。まとめて長時間演習するより、毎日15〜20分でも継続的に計算問題に触れ続けるほうが、感覚を維持しやすくなります。

③ 途中式を残す習慣をつける

事例Ⅳは、最終的な答えだけでなく計算過程にも部分点が振られていると考えられています。暗算や省略した計算に慣れてしまうと、本番で計算ミスに気づいた際に見直しがしづらくなるため、普段の演習から途中式を残す習慣をつけておくことが重要です。

④ 電卓の操作に慣れておく

本番は時間との勝負になるため、電卓の操作ミスや入力の遅さがそのまま失点につながります。使用する電卓は早めに決め、日々の演習から同じ電卓で操作に慣れておくことをおすすめします。

まとめ

事例Ⅰ〜Ⅲは、与件文の読み方と答案の型という「共通の武器」を磨くことで、テーマが変わっても安定して対応できるようになります。一方、事例Ⅳは読解力ではなく計算処理能力の勝負であり、日々の積み重ねがそのまま得点に直結する科目です。

「二次試験対策」とひとくくりにせず、事例Ⅰ〜Ⅲと事例Ⅳを分けて対策を組み立てることが、限られた期間で得点力を伸ばす近道になります。それぞれの事例のテーマごとの詳しい傾向・対策は、事例Ⅰ〜Ⅳ個別の解説記事もあわせてご覧ください。

独学・通信講座・予備校、中小企業診断士はどれで目指すべきか徹底比較

中小企業診断士の受験を決めたとき、多くの人が最初にぶつかる選択肢が「独学」「通信講座」「予備校(通学)」のどれで進めるか、という問題です。

私は11年前、通勤講座(現STUDYing)を活用し、1年未満で一次試験・二次試験ともに一発合格しましたが、今振り返ると、この選択肢は当時よりも格段に増え、それぞれの違いも明確になっています。

今回は、3つの学習スタイルを費用・学習の自由度・サポート体制などの軸で比較していきます。

3つの選択肢の基本的な違い

まず、それぞれがどんな学び方なのかを簡単に整理します。

  • 独学:市販のテキスト・過去問集を使い、学習計画から進捗管理まですべて自分で行うスタイル
  • 通信講座:オンライン教材(動画講義・Webテキストなど)を使い、体系化されたカリキュラムに沿って自分のペースで進めるスタイル。、STUDYingや診断士ゼミナールなどが該当します
  • 予備校(通学):TAC・LEC・資格の大原といった大手予備校の教室に通い、決まった時間割で講義を受けるスタイル。多くは通信講座も併設しています

同じ「講座を使う」でも、通信講座と予備校では学び方の自由度や費用感がかなり異なるため、この2つを分けて考えることが比較のポイントになります。

費用感の比較

学習スタイルによる費用の違いは、想像以上に大きいです。目安として整理するとこのようになります。

  独学 通信講座 予備校(通学)
費用の目安 数千円〜3万円程度(教材費のみ) 4万円台〜10万円程度 20万円台〜30万円台程度
費用に含まれるもの テキスト・過去問集の購入費のみ 講義動画、Webテキスト、演習問題、進捗管理機能など一式 上記に加え、教室での対面講義、自習室利用など

予備校は独学の10倍前後、通信講座は独学の数倍程度の費用がかかるのが一般的な相場感です。この価格差が、そのままサポートの手厚さや学習環境の違いに対応していると考えると分かりやすいです。

※価格は時期や講座・コース内容によって変動するため、実際に検討する際は各社の公式サイトで最新の金額を確認してください。

メリット・デメリットで比較する

独学

メリット

  • 費用を最小限に抑えられる
  • 学習の順番・配分を完全に自分でコントロールできる

デメリット

  • 学習計画・情報収集をすべて自分でやる必要がある
  • 進捗管理が自己流になり、客観的な評価を受けにくい(特に二次試験の答案)
  • モチベーションの維持を自分だけで行う必要がある

通信講座

メリット

  • 体系化されたカリキュラムに沿って学べるため、情報収集の手間が省ける
  • スマホ完結型の教材が多く、スキマ時間を活用しやすい
  • 進捗が自動的に可視化される仕組みを持つ講座が多く、モチベーション維持につながる
  • 予備校と比べて費用を抑えられる

デメリット

  • 対面での質問や、他の受験生との直接的な交流はしにくい
  • 講座によっては、カリキュラムの自由度が独学より低い場合がある

予備校(通学)

メリット

  • 決まった時間割があるため、学習ペースを強制的に維持しやすい
  • 対面で講師に直接質問できる
  • 同じ目標を持つ受験生と顔を合わせることで、モチベーションを維持しやすい

デメリット

  • 費用が最も高い
  • 通学の時間・交通費がかかり、働きながらの受験だと時間の制約が大きい
  • 決まった時間割に合わせる必要があり、自分のペースで進めにくい

どんな人にどれが向いているか

これまでの比較を踏まえると、向き・不向きはおおよそ次のように整理できます。

  • 独学が向く人:すでに前提知識がある、費用を最優先で抑えたい、自分で計画を立てて実行するのが苦にならない人
  • 通信講座が向く人:働きながらスキマ時間を活用したい、体系立てたカリキュラムで学びたいが費用は抑えたい、対面でのやり取りにはこだわらない人
  • 予備校が向く人:一人だと学習ペースを維持できない、対面での質問やコミュニティを重視したい、費用よりも学習環境を優先できる人

11年前の自分と、今の自分ならどう選ぶか

11年前、私が通勤講座(STUDYing)を選んだのは、費用を抑えたかったことと、自分のペースで進めたかったことが理由でした。ただ当時は、通信講座という選択肢自体は今ほど体系化・効率化はされておらず、「独学に近いけれど、講義だけは聞ける」程度の位置づけでした。

今、同じ状況でもう一度選ぶとしたら、独学と予備校の間にあるSTUDYingのような通信講座というのようなスマホ完結型の講座を軸に据えると思います。

理由は、独学のメリットだった「費用の安さ」「自分のペースで進められる自由度」を保ちながら、独学最大の弱点だった「情報収集の手間」「進捗管理の不透明さ」を補えるからです。

予備校ほどの費用をかけずに、独学よりも体系立った環境で学べるという意味で、通信講座は今、最もバランスの取れた選択肢になっていると感じます。

 

特に私自身、一発合格できた教材なので、STUDYingはおすすめです。

資格合格パートナー「スタディング」|オンライン通信講座で難関資格対策

もちろん、対面でのやり取りやコミュニティを重視するなら予備校、前提知識があり費用を最優先するなら独学も依然として有力な選択肢です。自分がどの部分にお金と時間を割きたいかを整理した上で、この比較を判断材料にしてみてください。

【中小企業診断士二次試験】事例Ⅳ「財務・会計」の解き方と頻出テーマを整理する

事例Ⅳは「財務・会計」を中心テーマとする事例で、事例Ⅰ〜Ⅲとは性質が大きく異なります。

与件文の記述から解答を導く記述式の事例Ⅰ〜Ⅲに対し、事例Ⅳは貸借対照表や損益計算書などの財務諸表をもとに、数値で解答する計算問題が中心です。

「得意な人はまとまった得点源にできるが、苦手な人は大きく失点する」という、二次試験の中でも特に配点の振れ幅が大きい事例です。

事例Ⅳはどんな試験か

事例Ⅳでは、財務諸表が提示された企業について、経営分析や採算性の検討、投資判断などを行う問題が出題されます。

事例Ⅰ〜Ⅲと比べて与件文の文章量は短く、代わりに財務諸表の読み取りと計算処理の正確さが問われます。

 

事例Ⅰ〜Ⅲは記述式のため部分点を取りやすい一方、事例Ⅳは計算過程を間違えると連鎖的に失点し、部分点が期待しにくいという特徴があります。

得意不得意がはっきり出やすく、これが「事例Ⅳだけは別対策が必要」と言われる理由です。

頻出テーマ

事例Ⅳで繰り返し出題される論点には、次のようなものがあります。

  • 経営分析:財務諸表から収益性・効率性・安全性などの指標を算出し、企業の経営課題を読み取る
  • CVP分析(損益分岐点分析):固定費・変動費の構造から、損益分岐点や目標利益達成に必要な売上高を計算する
  • 意思決定会計(差額原価収益分析):設備投資や事業の継続・撤退などの意思決定において、関連する原価・収益を比較する
  • キャッシュフロー計算:営業活動・投資活動・財務活動によるキャッシュフローの算出と、その意味の解釈
  • 記述問題(計算根拠や経営上の意味の説明):計算結果をもとに、その数値が持つ経営上の意味を文章で説明させる設問

解答の基本的な考え方

事例Ⅳの対策で意識しておきたい考え方は、次の3つです。

経営分析は「与件文との対応」を忘れない

経営分析の設問では、財務指標を計算するだけでなく、その指標が悪化・改善している理由を与件文の記述と結びつけて説明する必要があります。

数値の計算だけに集中してしまい、与件文とのつながりを書き忘れる受験生は少なくありません。

 

計算問題は「途中式を残す」習慣をつける

事例Ⅳは配点上、最終的な答えだけでなく計算過程にも部分点が振られていると考えられており、途中式や計算根拠を答案用紙に残しておくことが推奨されます。

暗算や省略した計算に慣れてしまうと、本番で計算ミスに気づいた際の見直しがしづらくなります。

記述問題を捨てない

事例Ⅳは計算問題のイメージが強いですが、計算結果の意味を説明させる記述問題も一定数出題されます。

計算に気を取られて記述問題への対応がおろそかになると、取れるはずの得点を落とすことになります。

独学での勉強法

事例Ⅳは、事例Ⅰ〜Ⅲとは対策の性質が異なるため、勉強法も分けて考える必要があります。

  • 論点ごとに基礎を固める:経営分析、CVP分析、意思決定会計、キャッシュフローなど、論点ごとに基礎問題を繰り返し解き、計算パターンを体に染み込ませる
  • 毎日短時間でも計算に触れる:計算力は数日間触れないだけで感覚が鈍りやすいため、まとめて長時間演習するより、毎日15〜20分でも継続的に触れるほうが感覚を維持しやすい
  • 電卓の操作に慣れておく:本番は時間との勝負になるため、電卓の操作ミスや入力の遅さが失点に直結します。使用する電卓は早めに決め、操作に慣れておくことが重要です
  • 計算ミスの傾向を記録する:符号の間違い、単位の見落とし、端数処理のミスなど、自分がよく間違えるパターンを記録しておくと、本番前の見直しで効果を発揮します

事例Ⅳでつまずきやすいポイント

  • 一つの計算ミスが連鎖して大きく失点する:ある小問での計算結果を、後の小問で使う構成になっている問題もあり、序盤のミスが後半に響くことがあります。序盤の計算は特に慎重に行う意識が必要です。
  • 時間配分を誤り、最後まで解ききれない:計算に時間をかけすぎて、記述問題や後半の設問に手が回らないケースがあります。事前に問題全体をざっと見て、時間のかかりそうな設問の見当をつけておくことが有効です。
  • 「捨て問」の見極めができない:難易度の高い設問に固執し、他の取れる設問の時間を削ってしまうことがあります。解ける設問から確実に得点を積み上げる姿勢が重要です。

事例Ⅳは、他の事例と違って対策の効果が数値としてはっきり表れやすい科目でもあります。論点ごとの基礎を固め、計算に日々触れ続けることで、着実に得点力を伸ばせる事例です。

【中小企業診断士二次試験】事例Ⅲ「生産・技術」の解き方と頻出テーマを整理する

事例Ⅲは「生産・技術」を中心テーマとする事例です。製造業を題材にした出題が多く、業務プロセスや生産管理に関する専門的な内容が問われるため、製造業での実務経験がない受験生にとってはとっつきにくく感じられやすい事例です。

ただし、問われる視点自体はパターン化されている部分も多く、型を押さえることで対応しやすくなります。

事例Ⅲはどんな試験か

事例Ⅲでは、部品加工や製品製造を行う中小の製造業が題材になることが多く、生産工程や在庫管理、納期対応、技術・技能の継承などに関する課題について、改善策を助言する設問が出題されます。

与件文には、工程の流れや生産管理の方法、抱えている問題点(納期遅延、在庫過多、品質のばらつきなど)が具体的に描写されており、事例Ⅰ・Ⅱと比べても「業務プロセスのどこに問題があるか」を図式的に整理しながら読む必要がある点が特徴です。

頻出テーマ

事例Ⅲで繰り返し登場するテーマには、次のようなものがあります。

  • QCD(品質・コスト・納期)の改善:生産工程における品質のばらつき、コスト増、納期遅延といった課題への対応
  • 生産計画・生産統制の見直し:受注生産・見込み生産の混在、生産計画の精度不足といった課題
  • 在庫・工程管理の改善:過剰在庫や工程間の停滞(仕掛品の滞留)への対応
  • 多能工化・技術承継:特定の熟練工に技術が属人化している状態から、標準化・共有化への転換
  • 新規事業・新製品開発への対応:既存の生産体制のままで新しい取り組みに対応できるかという課題

解答の基本的な考え方

事例Ⅲの答案でよく使われる基本的な視点は、次のようなものです。

 

業務プロセスを工程順に整理する

与件文に描かれた生産工程を、受注→計画→調達→加工→検査→出荷のような流れで整理し、どの工程にボトルネックがあるかを特定することが出発点になります。

工程のどこで時間がかかっているのか、在庫が滞留しているのかを図式的に捉える意識が重要です。

 

「情報の共有」「標準化」という切り口

事例Ⅲの課題の多くは、突き詰めると「情報が共有されていない」「作業が標準化されていない」という点に行き着くことが少なくありません。

生産計画の情報が現場に共有されていない、熟練工のノウハウが文書化されていない、といった状態を改善する提案は、多くの設問で応用が効く切り口です。

 

改善策は与件文の制約条件の中で考える

事例Ⅲの企業は、設備投資や大幅な人員増を前提にできない中小製造業として描かれることが多く、大きな投資を必要とする提案よりも、現有の設備・人員を前提とした運用面の改善提案のほうが、与件文の実態に即した答案として評価されやすい傾向があります。

与件文の読み方のコツ

事例Ⅲの与件文は、生産工程や組織体制の説明が細かく、情報量が多いのが特徴です。

  • 生産工程の説明が出てきたら、簡単な図やメモに書き起こしながら読むと、ボトルネックの所在を把握しやすい
  • 「〜が属人化している」「〜の情報が共有されていない」といった記述は、改善提案の直接的な手がかりになる
  • 新規受注や新製品の話が出てくる場合、既存の生産体制でそれに対応できるかという視点で、後半の設問との関連を意識する

事例Ⅲは情報量が多い分、読み込みに時間がかかりやすい事例でもあります。工程を図式化しながら読む習慣をつけておくと、与件文を読み返す回数を減らせます。

事例Ⅲでつまずきやすいポイント

  • 専門用語に引っ張られて思考が止まる:製造業特有の用語(段取り替え、ロットサイズなど)に馴染みがないと、内容の理解に時間がかかります。頻出用語は事前にひと通り押さえておくと、本番での読み込み時間を短縮できます。
  • 課題の原因と結果を取り違える:「在庫が多い」という結果だけを捉えて対策を書いてしまい、その原因(生産計画の精度不足など)まで踏み込めていない答案になりがちです。
  • 一般論としての改善策になってしまう:「5S」「標準化」といった一般的なキーワードを並べるだけでなく、与件文のどの記述に対応する改善策なのかを明確に紐づける必要があります。

事例Ⅲは業務経験の有無で最初のとっつきやすさに差が出やすい事例ですが、問われる視点自体は「工程のどこにボトルネックがあるか」「情報や技術が共有・標準化されているか」というパターンに集約されます。

専門用語に慣れることと、工程を図式的に整理する練習を重ねることが、対策の近道です。

【中小企業診断士二次試験】事例Ⅱ「マーケティング・流通」の解き方と頻出テーマを整理する

事例Ⅱは「マーケティング・流通」を中心テーマとする事例です。

地方の中小企業や小規模事業者が題材になることが多く、事例Ⅰ〜Ⅳの中では比較的与件文が読みやすく、解答の方向性も掴みやすいと言われる事例です。

ただし、その分「みんなが同じような答案を書きやすい」試験でもあり、いかに与件文の根拠を的確に拾えるかで差がつきます。

事例Ⅱはどんな試験か

事例Ⅱでは、地域に根ざした中小企業(小売業、飲食業、宿泊業、農業関連業など)が題材になることが多く、その企業がどのように売上・顧客基盤を拡大していくかについて、マーケティング面から助言を求められます。

与件文には、企業の強み(地域とのつながり、独自の技術、顧客との関係性など)や、置かれている経営環境(競合の進出、人口減少、後継者不足など)が具体的に書かれており、事例Ⅰと比べると読み取るべき情報が明確な傾向があります。

頻出テーマ

事例Ⅱで繰り返し登場するテーマには、次のようなものがあります。

  • ターゲティングと顧客セグメント:既存顧客と新規顧客、どの層に向けて施策を打つべきかの見極め
  • 強みを活かした差別化:価格競争に頼らず、企業の独自資源(技術・立地・関係性など)を活かした差別化
  • 地域資源・地域連携の活用:地元の他事業者、自治体、観光資源などと連携した施策
  • オンラインとオフラインの連携:ECサイトやSNSを使った情報発信と、実店舗・対面での接点の組み合わせ
  • 関係性マーケティング(顧客との関係の維持・深化):一度きりの購入で終わらせず、リピーターや紹介につなげる施策

解答の基本的な考え方

事例Ⅱの答案でよく使われる基本的な視点は、次のようなものです。

 

「誰に、何を、どのように」を明確にする

マーケティング施策の提案では、ターゲット(誰に)、提供する価値(何を)、その伝え方・届け方(どのように)を明確に対応させることが基本です。

この3つが曖昧なまま施策だけを書くと、与件文の根拠と結びつかない答案になりがちです。

 

強み(S)と機会(O)を掛け合わせる

事例Ⅱは、企業の強みと外部環境の機会を掛け合わせて施策を考える、SWOT分析的な発想と相性が良い事例です。

与件文中の強みの記述(技術力、立地、顧客との関係など)と、機会の記述(市場の変化、新しい顧客層の出現など)を、答案の中で結びつけることを意識すると、説得力のある提案になります。

 

既存資源を活かす提案を優先する

事例Ⅱの企業は多くの場合、大きな投資余力を持たない中小企業として描かれています。

ゼロから新しい設備や人材を必要とする提案よりも、与件文中に登場する既存の強み・資源を活用する提案のほうが、企業の実態に即した現実的な答案として評価されやすい傾向があります。

与件文の読み方のコツ

事例Ⅱの与件文には、企業の強みや顧客との関係性を示す具体的なエピソードが多く盛り込まれています。

  • 「〜という声をもらっている」「〜と評判である」といった顧客の声の記述は、そのまま強みや差別化のヒントになる
  • 競合や市場環境の変化に関する記述は、機会・脅威を読み取る手がかりになる
  • 企業の持つ設備・人材・立地・ブランドなどの資源は、後半の設問で「どう活用するか」を問われる伏線になっていることが多い

事例Ⅱは与件文の情報量が比較的多く、拾うべき根拠がはっきりしている分、逆に「拾いすぎて答案が総花的になる」失敗が起きやすい事例でもあります。与件文の情報を全部使おうとせず、設問ごとに使う根拠を絞り込む意識が必要です。

事例Ⅱでつまずきやすいポイント

  • 一般的なマーケティング施策を並べただけの答案になる:SNS活用、口コミ、イベント開催などの施策は与件文がなくても書けてしまうため、与件文の根拠と結びつけずに書くと点数が伸びません。
  • ターゲットが曖昧なまま施策を書いてしまう:「誰に向けた施策か」を明確にしないまま提案を書くと、施策と効果の対応関係が崩れます。
  • 設問ごとの役割分担ができていない:事例Ⅱは複数の設問で「新規顧客獲得」「既存顧客深耕」など異なる切り口が問われることが多く、設問間で内容が重複しないよう役割を分けて書く意識が必要です。

事例Ⅱは与件文が比較的読みやすい分、多くの受験生が同じような方向性の答案にたどり着きやすい事例です。差がつくのは、与件文の細かい根拠をどれだけ的確に拾い、設問ごとの切り口を明確に書き分けられるかという点です。