二次試験対策を進めていると、必ず一度は「模試を受けるべきか」という疑問にぶつかります。費用も時間もかかるだけに、迷う方は多いはずです。今回は、中小企業診断士二次試験の模試がどんな意味を持つのか、そしてどう活用すべきかを整理します。
模試を受けるメリット・デメリット
まず、模試を受けることのメリットとデメリットを整理します。
メリット
- 本番と同じ緊張感の中で、時間配分やペース配分を試せる
- 自分の答案を、第三者(採点者)の目線で評価してもらえる
- 他の受験生の中での自分の立ち位置がある程度分かる
- 本番会場に近い環境(見知らぬ人の中で、長時間集中する経験)に慣れられる
デメリット
- 受験料がかかる(1回あたり数千円〜1万円台程度が目安)
- 移動時間・拘束時間がかかる
- 模試の採点基準が、必ずしも本試験の採点基準と一致するとは限らない
- 模試の結果に一喜一憂しすぎると、かえってモチベーションを崩すリスクがある
デメリットもありますが、メリットの中でも特に「第三者からの評価」という部分が、他の方法では得にくい価値になります。
模試が価値を持つ理由
二次試験を受験する上での悩みといえば、自分の答案を客観的に評価してくれる人がいないことです。ふぞろいなどの教材を使って自己採点することはできますが、しょせんは自分自身の判断であり、どうしても甘くなったり、逆に必要以上に厳しくなったりします。
模試は、この「ボトルネック」を補う数少ない機会です。特に次のような点で価値があります。
- 自分では気づけない答案の癖を指摘してもらえる:与件文の読み違え、答案の書き方の癖など、自分一人では気づきにくい傾向を客観的に指摘してもらえます
- 本番と同じ緊張感を体験できる:過去問演習は自宅で行うことが多く、本番特有の緊張感やペース配分の難しさは、模試のような環境でないと体験しにくいものです
- 相対的な位置を把握できる:自己採点だけでは分からない、他の受験生と比べた自分の実力を把握できます
私自身、模試を1回は受けました。特に効果を感じたのは、初見の問題についての回答を作ること。それを体験することで、本番に近い緊張感を経験できるという点です。
どのタイミングで受けるのが効果的か
模試を受けるタイミングは、目的によって使い分けるのがおすすめです。
学習中盤(型がある程度身についてきた頃) このタイミングで受ける模試は、「自分の答案の癖を知る」ことが主な目的になります。まだ完成度が高くなくても、この段階で客観的な評価を受けておくことで、残りの期間で何を重点的に修正すべきかが明確になります。
直前期(本番の2〜4週間前) このタイミングで受ける模試は、「本番形式での時間配分の確認」「メンタル面の準備」が主な目的になります。ここでの点数そのものより、本番同様のペースで最後まで解き切れるかどうかを確認することに重きを置くのがよいでしょう。
学習中盤と直前期、それぞれ1回ずつ受けるだけでも、独学の弱点をかなり補うことができます。何度も受けて演習量を稼ぐより、目的を絞って受けるほうが、費用対効果は高くなります。
模試の結果をどう次の学習に反映させるか
模試を受けっぱなしにせず、結果をその後の学習にどう反映させるかが重要です。
- 点数そのものより、失点の理由を分析する:模試の点数は、その回の問題との相性にも左右されます。点数の高低に一喜一憂するより、「どの設問で、なぜ失点したか」を分析することを優先します
- 答案の癖を、自分の演習にフィードバックする:模試で指摘された癖(因果関係が飛躍している、設問に正面から答えていないなど)を、その後の過去問演習で意識的に直すようにします
- 時間配分の課題を洗い出す:本番形式で解いた際、どの事例で時間が足りなくなったか、どのフェーズ(読解・構成・記述)に時間がかかりすぎたかを振り返り、次の演習で改善を試みます
模試は「受けること」自体が目的ではなく、そこで得られる客観的な評価を、残りの学習期間にどう活かすかが本質です。独学ゆえに客観的な視点が不足しがちな受験生ほど、この機会をうまく活用する価値があります。
ただし、模試はしょせん模試です。
結果についてはそこまで深刻に考える必要はありません。
私は模試での判定は低かったですが、本番では4つの事例すべて60点以上取れました。
ですので、あくまでも本番に近い経験をし、さらなるブラッシュアップをするためくらいの気持ちで受けてみることがおすすめです。